
APEXより発売の1/7スケールフィギュア『アークナイツ チェン』の写真をお届けします。派手なフィギュア商品が多い『アークナイツ』シリーズの中では地味な佇まいですが、お手頃な価格ながらも立ち絵ポーズを寸分の狂いもなく再現した良心的な商品です。
- ゲーム内イラストそのままのポージングを精確に再現
- 服装の素材感にあわせた塗装の仕上げなどディテールへの拘り
- ほぼ完璧といえる隙のない品質管理
- スレンダーなプロポーションで1/7スケールの割に存在感に乏しい
- よくできた工業製品という趣きでワクワク感や雰囲気は控えめ
- 不必要に大きな台座による専有面積
商品のサマリ
| 商品名 | 陳 (チェン) |
| 作品名 | アークナイツ |
| スケール | 1/7 スケール |
| メーカー | APEX TOYS |
| 発売時期 | 2021年8月 |
| デザイン | 唯@W |
| 原型製作 | 裏根 |
| 彩色 | LUU |
| サイズ (幅 x 奥行 x 高さ) | 約180mm × 180mm × 250mm |
| 重量 | 約255グラム |
| 価格 | 14,000円 (税抜) |
| 中古価格 (2026年2月調べ) | 16,000円前後 (税抜) |
大人気ソーシャルゲーム「アークナイツ」より、龍門近衛局特別督察隊隊長の陳(チェン)が1/7スケールの塗装済完成品フィギュアとなって登場!革製の脛当てとシルク生地のシャツなど、異なる材質を卓越した塗装技術で見事に再現!手に握る真紅の剣「赤霄」、腰に掛けるタクティカルポーチやフードにある「龍門特別督察隊」の印字など、各所のディテールの造形にも一切抜かりなし!陳の凛々しい表情からも、悪を憎む毅然たる態度が窺えます。
陳の魅力を完璧に再現したこの逸品を是非お見逃しなく!
予約特典としてキャラクターイラストのキーチェーンも付属です!ホビーストック商品紹介ページより引用
キャラクターと原作について
原作は中華スマホゲーム『アークナイツ』ですね。タワーディフェンスと呼ばれるジャンルに属する作品で、2020年にグローバル版がリリースされて以来、同ジャンルでは競合を寄せ付けない強さを見せている人気タイトルです。パズルのようなタワーディフェンス特有の戦略性はもちろん、「鉱石病」と呼ばれる疾患が蔓延しているというダークな世界観と、美麗なキャラクターグラフィックが人気の秘訣でしょうか。
今回ご紹介するチェンは、作中に登場する勢力の1つである都市国家「龍門」(ろんめん) の保安部隊である「龍門近衛局」の特別督察隊隊長というポジション。龍門はアークナイツの主人公が所属する「ロドス・アイランド」とは別勢力でありつつも、主人公と共闘するというストーリー上の成り行きゆえ、龍門を代表するキャラクターとしてチェンが登場する場面は多く、エピソードによっては主役級の活躍を見せることもあります。
キャラクターとしては剣の実力者、冷静沈着かつ正義に熱いというわかりやすい役回りです。アークナイツを代表するキャラクターの1人ですね。また、アークナイツのキャラクターはいずれもモチーフとなる動物 (空想上の動物等を含む) が割り当てられていますが、チェンの場合は龍がモチーフとなっており、ゲーム内での格の高さが伺えます。
【キャラクター紹介】
— アークナイツ公式 (@ArknightsStaff) December 24, 2019
チェン(CV:#石上静香)
龍門近衛局特別督察隊の隊長。優れた剣の腕をもつ。
自他ともに厳しく、常に険しい顔をしているイメージを持たれている。
「全てはより周到な任務遂行のために。」#アークナイツ pic.twitter.com/HMobQyEIDe
APEXによるこのチェンは、いわゆる通常衣装の立体化。アークナイツは通常衣装の他に「昇進」 (服装は大きく変えずに、モチーフとなっている動物を大きくフィーチャーした豪華画像が用意されているというもの)、着せ替え衣装、「異格」キャラクター (同じキャラクターでもストーリー上で所属が変わったり成長した姿を再現したもの) と同じキャラクターでも様々なバリエーションが用意されており、チェンも複数の衣装で立体化されています。
全体像とプロポーション
それではフィギュア全体像から参りましょう。
シンプルな立ち絵ポーズでのフィギュア化なので躍動感はありませんが、すらっとした手足を筆頭に、ゲーム内のイラストレーションから寸分の狂いもないプロポーションとポージングで立体化されています。塗装も色味は彩色見本とほぼ変わりない再現度。ただし、彩色見本に比べると製品版はマット感が控えめで、色の深みに欠けるきらいがあります。これは彩色見本 vs. 製品版でよくあるパターンですね。
すこし気になるのは俯き気味なポージング。元イラストを再現するとこうなるというのは理解できるのですが、こういうフィギュア製品は見下ろし気味のアングルで鑑賞することが多いと思います。フィギュア陳列用に高さのあるディスプレイシェルフを持っているような人はよいのですが、デスク上なんかに陳列すると、せっかくのお顔があまり見えなくなってしまいますね。
陳列という観点で付け加えると、台座が結構大きいです。横方向に突き出ている剣にあわせたのだと思いますが、小ぶりな1/7スケールフィギュアとしては専有面積 (フィギュア1.5体ぶんくらい) を大きくとるので、ディスプレイ前提で購入する方、特に陳列スペースが限られている人や、フィギュアをぎっしり並べてディスプレイしたいという人は注意が必要です。

フィギュア全体の360度 全周囲スライドショー
表情とヘアスタイル
表情
お顔ですが、キリっとした表情をしっかり再現。
元イラストでは口元がはっきり描かれておらず、いまいち掴みどころのない表情 (ヤレヤレと呆れているような雰囲気もどこか感じられるか?) でしたが、本商品では口元の線がくっきり引かれたことで、チェンの表情に力強さが出ました。よいアレンジだと思います。アイプリントは光沢仕上げなどのギミックはありませんが、元イラストに忠実にデザインされていますし、仕上がりにも気になる箇所はありません。
表情とアイプリント





ヘアスタイルとアクセサリー
髪の毛ですが、前髪を中心として小ぶりな1/7スケールとしては細かいところまで毛束が彫られているのが印象的。アークナイツはシンプルな立ち絵イラストでも髪の毛の描写など細かいところまで凝った絵柄が特徴となっており、フィギュアも同じように細かいところまで造形されているのは嬉しいですね。パーティングラインも毛束の流れにあわせて目立たないよう配慮されています。
サイドバング部分や束ねたツインテール部分は元イラストに比べるとやや大雑把な造形ですが、風になびくような動きを表現できていますね。頭頂部と毛先が暗めの色味になっているところも再現されています。天使の輪っかは省略。この天使の輪っかはイラスト特有の表現なので、立体物であるフィギュアで省かれるのはよいですが、オレンジのハイライトカラーまで省略されてしまっているのは残念。他パーツの塗装の精緻さを考えると、ハイライト入れるくらい何ということなかったと思うんですけどね。
アクセサリーとしては耳にイヤホンを着用。イヤホン本体にこれといった見どころはないのですが、イヤホンケーブルの表現がすごいですね。伸縮するようコイル巻きになっているをケーブル見事に再現しています。
その他、アクセサリーではありませんが頭部に龍モチーフとなる角が生えています。元イラストほど細かい模様は入っておらず、フィギュア向けに省略されたデザインを採用していますが、黒のオレンジのグラデーションや光沢塗装のおかげで、それっぽく仕上がっています。

ディテールの造形と質感
カチッとした戦闘服を着用。パッとみて目立つのはクリアパーツを使ったシャツの透け感の表現でしょうか。元イラストでは下腹部まわりのシャツが透けた描写になっており、これを再現したもの。他方でバストまわりは透けのないグレーのシャツなのですが、裾に向かって透けていくグラデーションの仕上げもまったく違和感なく、非常にレベルの高い仕上がりです。
個人的にポイントが高いのはフード部分。戦闘服の上着は皺表現がないため単調な印象も受けます (元イラストでも皺は描かれていないので、強度のある繊維素材という設定なのでしょうけど) が、 フード部分は元イラストに描かれてない部分ということもあってか、立体感のある造形となっています。腕部分も皺はしっかり造形されていますね。
その他、オレンジのネクタイ、上着のボタン、IDバッジ、トランシーバー、タクティカルポーチなど、数々のアクセサリー類が細かいところまで再現されています。私の個体でいうと、上着の第一ボタンに若干の塗装はみ出しがありますが、気になるほどのものではありません。もっとガタガタになるフィギュアは決して珍しくないです。あと気になるのは左手のグローブ手首部分くらいでしょうか。完璧とはいいませんが、細かいところまで丁寧に仕上げられています。
ただ、全体的に塗装や造形が綺麗すぎるかな? というきらいはありますね。例えば腰回りの革素材と思われるポーチなどは、もう少し使い込んだような風合いを出しても良かったんじゃないか (チェンは戦闘キャラですし) と思いますが、良くも悪くもピカピカの新品のような塗装、造形。皺のない上着などとあわせて、あまり造形や塗装に深み、雰囲気がないという印象に繋がっている気がします。





脚部は前面だけを覆うブーツを着用。光沢仕上げの塗装もあって気付きづらいのですが、ブーツも皺はしっかり造形されています。遠目からだと平坦にみえてしまうのが勿体ない。ブーツのスタッド部分も上着と同様に丁寧に塗装されており、気になるようなはみ出し、にじみは見られません。
ここで残念なのは、肌部分の仕上げでしょうか。これといってハイライトもシャドウも入っていないので、すらっとした造形こそ美しいものの、やや生気に欠けるきらいがあります。
全体像の項で触れたとおり、台座はフィギュア本体に比べると大型。龍門のカラーリングをモチーフとしたデザイン性の高い台座ではありますが、素材自体は極めてプラスチッキーで高級感はありません。あと細かいですが、なぜか台座に著作権表記が入っており微妙に雰囲気を壊しています。

両手にそれぞれ片手剣を保持。右手に持っているのはチェンが常用するロドス制式刀剣、左手に持っているのが赤霄 (せきしょう) という名の剣。龍殺しという設定だったはず。鞘の模様やメーカー「RAYTHEAN」の刻印まで細かく仕上げられているのは他のパーツと同様。
ただ、良くも悪くも元イラストに忠実な塗装で、武器ならではの重厚感はあまり感じられない。金属製の刀剣というよりも、セラミックナイフのような質感といえばいいでしょうか。ただし、原作となったアークナイツはSF系の世界観を採用しているため、そういう軽量素材で作られているという設定だったとしても違和感はなく、さほどの不満ポイントではありません。

まとめと感想
ということで、APEXより『アークナイツ チェン』のご紹介でした。
とにかく再現度の高いフィギュアです。元イラストから変わっているなと感じるのは龍の角くらいでしょうか。造形の精確さ、塗装の丁寧さも際立っており、隙がありません。「異なる材質を卓越した塗装技術で見事に再現」という謳い文句は決して誇張ではないです。
一方で、小ぶりなうえに、よくも悪くも元イラストを忠実に再現することに注力していて、細かい質感の「雰囲気ある」表現はそこまで洗練されていないという印象も受けました。肌や革素材の質感などですね。中国本土での活動については詳しくないのですが、APEXは2020年頃から日本でフィギュアが出回るようになった比較的新興のメーカーのため、例えばアルターやグッドスマイルカンパニーのような老舗ブランドに比べると、フィギュアならではの造形や表現の引きだしが、2021年当時はまだ少なかったのかもしれません。
とはいえ、この仕上がりで税抜き14,000円という希望小売価格は「良い意味で中華クオリティ」です。APEXはこの後もハイコスパなフィギュア商品を幾つも出して、押しも押されぬ大手ブランドに成長していきます。

チェンは買うべき?
買うべきかどうかの判定ですが、「キャラクターが好きなら買い」でしょう。派手さはありませんが堅実に元のキャラクターイラストを再現しています。チェンはアークナイツの主要キャラクターなので複数バージョンのフィギュア商品が出ていて、その中で一体選べと言われると、例えば同じAPEXから2025年に出ている後発の「遊龍チェン 万重山Ver.」などの方が総合的な満足感は高いんじゃないかと思いますが、同じキャラクターの複数フィギュアを揃えることに抵抗がないなら検討の価値ありです。
より広くアークナイツという作品全体でみると、Gift+のようなカジュアル路線のシリーズを別にればハイクオリティ志向が強いラインナップの中で埋没しがちかも。このチェンも十分出来のいいフィギュアですが「この商品じゃなきゃだめ」というヒキに欠けるので、候補にはあがりづらいかもしれません。シンプルなポージングなのでフィギュアをを大量に並べてディスプレイしたいという人にはちょうど良いフィギュアになり得たと思うんですが、そういう並べ方をすると台座が邪魔になりがちなのが惜しい。
チェンの価格評価と購入ガイド
発売されてから5年近く経過していますが、流通している個体も多くないようで価格は安定しています。2026年2月に調べた時点では、大手ホビーショップで在庫は見つからず、中小ショップで中古品が税込み18,000円という価格で販売されていました。メルカリのようなフリーマーケットサイトでも出品数は限られています。
APEXの比較的初期の商品ですから、よくわからない中華ブランドということで見送ったフィギュアファンも多いでしょうね。新品在庫は残っていないと思われるため、購入する場合は中古前提。流通量が少ないということは、このタイミングで出てくる未開封品はプレミア価格がつけられる可能性が高そうです。やや小ぶりなことを別にすれば、もともと良心的な希望小売価格設定ですので、チェンの通常衣装フィギュアが欲しいというならば18,000円くらいまで出す価値のあるフィギュアだと思います。
チェンの撮影後記と使用機材
以上、APEXより『アークナイツ チェン』のレビューでした。
箱を開けたときは「なんか小さくて存在感ないなあ」という印象でしたが、よくみていくと隙のないクオリティで満足のいくフィギュアでしたね。造形が破綻していたり仕上げの粗が気になる箇所もなく、気持ちよく撮影することができました。イメージショットは龍というイメージと、龍門のイメージカラーに沿って赤背景を使用。
シンプルな造形なので撮影にあたってあまり難しいところはありません。ただ、上着をはじめとして黒いパーツが多いので塵や埃がものすごく目立ちます。気になるので途中で丸洗いして撮影しなおしする羽目になりましたが、それでもアップにするとちらほら残ってしまっていますね。
また、ブーツの光沢塗装に映りこみが発生しがちですが、これは彩色見本の写真でも出ているので避けようがなさそう。とはいえ、公式写真は反射が随分と柔らかく、ディフューザーなりで光を相当拡散させているのだと思います。うちの撮影ブースもソフトボックスは使っていますが、作業スペースが限られているので、これ以上の拡張は難しいんですよね…
| カメラ | SONY a7RIII OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II |
| レンズ | Voigtlander APO-Lanthar 65mm Macro M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm Macro LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm |
| 照明機材 | ノーブランド ソフトボックス NEEWER PL60C RGB LEDパネルライト NEEWER 660 RGB LEDパネルライト NEEWER SRP18C RGB LEDリングライト Ulanzi VIJIM LEDバーライト |
| その他機材 | SLIK ライトカーボンE63 VANGUARD ALTA PH-32 3Way雲台 |
皆さまのご意見、お待ちしています
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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